世界平和は一家団欒のあとに

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世界平和は一家団欒のあとに』の1巻と2巻を読みました。
これは面白いですねー。
挿絵のテイストが結構好きなのも手伝って、楽しく読めました。
ちょっと情熱で押しすぎかなぁ。とも思ったけれど、それってこの作品の味だし!と思い直すとしっくり来ました。
でも、やっぱりそれっぽさで押してる部分はあるなぁ。
最近はやりの「ジャンル崩壊後のパロディ肯定」の臭いがするのですよね。


「えーと、パロディだから、さ。許してよ」


ていう著者と読者の共犯関係?が成立しているのだよね。
で、この共犯関係のメリットとデメリットは、
メリット:安定感があるので、適当に書いても結構おっけー
デメリット:逆にパロディの枠からはみ出すことへの恐怖感が生まれる
だと思うのよね。
もっと面白くなるはずの作品も、ここらへんの意識の仕方で、小粒のまま終わったりするよ思います。


とりわけ最近読んだ『シリアスレイジ』もそういう感じかな。
あれはパロディじゃないんだけど…過去の作品群に対する憧れが強すぎた気がしました。
きっと、書いてて楽しいんだろうな、と。
や、それって違うか。


どうでもいいけど、最近の芥川賞作品で、文中に「や、それはちがうけど」みたいな文章のテンションで、すげー似てるかも、なんておこがましい気分になった。