■小説『征服娘。

征服娘。 (スーパーダッシュ文庫)

征服娘。 (スーパーダッシュ文庫)

大正野球娘。』が面白かったので、読んでみた。
作者、相変わらず後書きもないし、紹介文も短い……AB型、としか書いてない。
で、またまたタイトルが「○○娘。」なんですね。
もしかしたら、作者はちょっぴり強情な人なのかも知れません。
適当というよりは、強情。


大正…と同じく、この作品も非常に丁寧に書かれている。
人物描写だけでなく、資料に基づいた地中海近辺の様子は、
「イタリアとか地中海貿易って面白そうだべなあ」
と思わせる。
文章力のある人は、ファンタジーやSFといった架空の舞台を用意しなくても、
歴史に対して一工夫加えるだけで、大層面白く描くことができるのだな。


■小説『夏の口紅』

夏の口紅 (角川文庫)

夏の口紅 (角川文庫)

樋口有介の本ということで、軽妙さを期待していたのだけれど……少し哀しい話だったか。
久しぶりに読んだが、こんなにも不思議な会話を扱う作者だったのだな。
はっきり言って、変。
でも、魅力的。