搾取されるフラッシュゲーム制作者(予定)

http://ameblo.jp/sinobi/


忍之閻魔帳でのやりとり。


先日紹介したPSP「己の信ずる道を征け」なのだが
記事をアップした後、コメント欄にてWebフラッシュゲームの
「Cursor 10」というソフトが元ネタではないかとの指摘をいただいた。


■己の信ずる道を征け
公式サイト:http://www.oreike.net/
紹介記事:http://www.famitsu.com/game/news/1218728_1124.html


■Cursor 10
http://www.nekogames.jp/mt/2008/01/cursor10.html


cursor10について説明すると、
1.プレイヤーはスタート地点からゴールを目指す
2.プレイヤーの活動時間は制限されている
3.プレイヤーは死亡後スタート地点に戻される
4.プレイヤーの行動は記録され、ゴーストとしてリアルタイムに共有される
というのが基本のルール。


とにかく斬新で、他に類を見ないのではないかと思われる……のだけれど。
「己の信ずる道を征け」は明らかに「cursor10」と類似しており、
後者の独自性から見て、アイデアを盗用していると思われる。


問題なのが、開発元であるフロム・ソフトウェアは悪であるかである。


結論から先に述べると、フロム・ソフトウェアは悪であるが、
罪には問われないし、おそらくはそれを自覚しているということである。


フラッシュゲームは規模の小ささから、インディーズゲームと呼べる。
そのため、匿名性が高い。
これは、フラッシュゲーム制作者が既存のゲームの模倣や、パロディ作品を
制作するのが多いことから、フラッシュゲーム制作者にとって有利になっている。
しかし、フラッシュにて独自性の高いゲームを作った場合、
この環境は不利となる。


コンシューマゲーム制作者から見れば、フラッシュゲームのほとんどは
既存のゲームの模倣であり、商業的には無価値である。
ただし、アイデアには価値がある。
もしダイアモンドを他人のゴミ箱から発見した場合どうするか?
残念な話ではあるが、ゴミ箱をあさり、自分のものにしてしまうのである。


もちろん、フラッシュゲーム制作者が自分の作ったゲームをゴミだと思っているはずはないが、
発表する場所がゴミ箱だったらどうだろう?
しかも、制作者はゴミ箱だと気がついていないのだ!


さらに、コンシューマゲーム制作者を擁護する理屈がある。
すべからく、人間のアイデアは模倣の連続であり、現在のゲームは過去のゲームの
模倣でしかない、という言い分である。


これは、人間的には問題だが、理屈としては正しいと思う。
テレビ・漫画・アニメ・映画に続き、ゲームは既に過渡期を過ぎ、飽和した。
残るは、残飯あさりしかない。


任天堂以外のゲーム制作者は常に模倣対象を求めてきた。
おそらく、これからフラッシュゲームの大量模倣時代がやってくる。
いや、ミニゲーム集がパッケージとして売られている今、模倣は始まっている。


フラッシュゲームはこの流れに対抗できるか?
cursor10は可能かも知れない。
だが、そのcursor10すらも、ファミコンの「ロットロット」に似ていると言われれば、沈黙せざるを得ない。
姿形は違っても、その発端となるアイデアが似ているのだから。


■ロットロット: