小説:世界平和は一家団欒のあとに

読了ー。


今まであんまりスポットを当てられていなかった長女の星弓彩美姉さんが主役の巻。
彩姉さんの過去を振り返りながら、主人公である軋人の思いでが入り交じり、
美しい過去に囚われないで、今をこれからを生きていこう、という話。


まー、なんつーかお菓子みたいな小説ですね。
読みやすくて、食べた後にすっきりさっぱりというか。
初期の頃にあったパロディ感覚は色を薄め、登場人物たちにアクシデントを
もたらすことで掘り下げようとする心意気や良し。


ただねえ…なんだか展開がパロディっぽいというか。
なんというかありきたりーな感じがしました。
むしろ初期のパロディ感覚に溢れていたころのほうが、
活き活きとしていて、疾走感がありました。
音楽でいえば、レミオロメンの「モラトリアム」みたいな。
別にお涙頂戴な感動話にもっていかなくてもいい気がするのですよね。


あと、設定でもたせている小説だったので、
ここに来て物語を展開させる目的が無いのが辛い。
やっぱり目的があったほうがわくわくすると思うのです。


とかいいながら、田中ロミオの「人類は衰退しました」なんていう、
全然目的の無い「よつばと!」的な小説もす・き。


つまりあれだ…主人公一家が、自分たちの問題を解消していくのではなく、
他人の問題を解決していく物語にすれば満足なのでしょうか、俺は。


あれ?
第三巻がそういった趣旨だったような気が…覚えていない。
確か、異世界から来た女の子を護る話だったような。
それで色々あって、主人公が親父と闘う話だったような?


ぬーん。